「離してください」

腕を掴むと、眉を顰めてそう言う。

抵抗するそぶりはない。



腕を、離す。

「本当は、離して欲しくないだろう」

「そんなこと、あらへん」

「じゃあどうしてそんな、泣きそうな顔をする」

「っ───して、へん」

「してる」

「してへん!」

「している。」

「っっ…話にならんわ」

踵を返す。

振り返ることも無く立ち去ろうとする背を、

追うべきか、追わざるべきか。



ひとつになりたい、

なれはしない、

孤独な他人同士。




どちらにしても

このセカイには

お前と、俺だけなのだ。










フタリデ イタレド マダサビシ、

ヒトリニ ナッタラ ナオサビシ、

シンジツ フタリハ ヤルセナシ、

ジンジツ ヒトリハ タエガタシ。







北原白秋シリーズVol.2。
…このシリーズのシマさんはいったい何を考えてらっしゃるのか…
隊長の方も余裕があるのか無いのかわからないですねぇ。
(ーって、書いてんのオメェだろうよ…)